タイトル詐欺は否定できんよなあ


穂史賀雅也『暗闇にヤギを探して』MF文庫J/全3巻)を読み終わる。


MF文庫Jの主人公とは思えないほど中二賢者な一人称の語り口から広がる、
なんかすげえモヤモヤした雰囲気(良い意味で)が素晴らしいステキ作品。
それだけに最終巻である3巻だけ色々とおかしくなってるのがすげえ残念。
明らかに尺の都合でのキング・クリムゾンとリセットボタンとかなんだこれ。


最終巻に来てやっと、そして唐突に行われるもう一人のヒロインの内面描写といい、
割と重要な位置づけなはずなのにいまいちキャラが立たないままだった浜くんといい、
二巻ラストにしての急展開といい、作者の技量不足を考慮に入れても
どう見ても打ち切りです。本当にありがとうございました。 ひどい。


勝手に察するに、あと最低一巻は続けるつもりだったの思うのよなあ。
そしてその尺があればもうちょっと軟着陸出来たと思うのよなあ。もったいねえ。


しかし憎むよりも先に悲しむよりも先に怒りよりも先に嘆きよりも先に。
穂史賀先生ってばオウガよりも明らかにこっちの方がイキイキしてるので、
オウガの次か次くらいでもう一度こういうの書いてくれたらいいなあ、とか。



あとは本州が台風だの鳩山フェイスフラッシュだので騒いでるのに、
北海道ってば雨すら降ってなかったのでそこはかとない疎外感。
はやく台風になーあれ。ならなくてもいいけど。ワクワクは百倍になってるけど。