祝福のカンパネラ/感想

祝福のカンパネラ 初回限定版

祝福のカンパネラ 初回限定版


というわけで『祝福のカンパネラ』。概要。
出てくる人出てくる人みんな物解りが良すぎるゲーム。


数年越しの想い人を新参者に取られても文句一つ言わなかったりとか、
「もしかしたら私あの人のこと……」というのを自分内で完全黙殺したりとか、
わあ、主人公に(都合の)良い人ばっかりだね!


いやまあ、主人公であるところのレスターさんは確かにイケメンなのだけれど、
心も顔もイケメンなのだけれど、ちょっとイケメン具合が過ぎて感情移入出来ん。
ミネットとの関係に悩み始めて十数クリックで悩み解決俺はあいつが好きだ、は
さすがに無理があるというかイケメンというか人間と思えん。


というか、この物分りが良すぎるヒロイン達とはあまりに相性が悪すぎる。
物分りの良い人同士でちょこっとLOVEしちゃってるもんだから、
特に衝突もあらずすんなりとカップル結成周りの人も大祝福、
本当にありがとうございました。本当にありがとうございました。


よう、お前ら……満足か? こんな恋愛話で……。俺は……嫌だね……。


別にラブコメ論とかダダ甘論を説く気はないけれど、
ブコメってこんなロボ同士の恋愛みたいのじゃないと思うの。
もっと、こう、スプーン一杯の誤解とかヤキモチがあってこそだと思うの。


というかアバさんとかアヴリルとか、体が本当にロボな人のほうが、
エゴとかあってよっぽど人間らしいってどうかと思うの。
「人間を捨て去ることによって逆に!」と作中で描写されてるわけでもなしに。



そんなわけで、なんかうむむとなったのだった。


しかし一つが天国じゃなかったからといって他も地獄というわけではなく。
クイックセーブ枠が八つもあったりキャラ個別音量設定もあったりと、
ゲームシステム的には非常に快適だったりするし、
メインよりもよほど可愛いサブヒロインのエロシーンがあったりするのは、
とてもとてもとてもとても良いこと、良い体制だと思った。


面倒臭い以外の何物でもないクエストとか、さっぱり目新しくない話とか、
皇女とかクランとかの世界観構築のためだけの死に設定とかは、
まあ「これそういうゲームじゃねーから」で済むのでいいんじゃないかな。



そんなわけで、行って来いでチャラで最終的には良作だと思った。
一時期はキャラのロボ具合でどうでもいい作品まで下がるも、
ニナさんやトルティア姉妹の可愛さで良作でもいいんじゃないかなに。


客観的には「良くも悪くもソツがないゲーム」、
個人的には「ラブコメって物分かりが悪いから成り立つんだなあ」と知ったゲーム。